ある日おじいさんが村を散歩していると、広場で騒ぎ声がしたので、寄ってみました。
そこにはたくさんの動物がひしめきあっていました。
おじいさん「おぅい!何をしているんじゃね?」
ウサギ「やぁじじぃ。今、森の動物達でお相撲をやっていた所なんだ」
その話を聞くや否や、おじいさんは「ワシも若かった頃は…」と、延々三時間程話し続けました。
一通り話が終わると、広場に大きなクマがやってきました。
タヌキ「あぁっ!アイツはもしかすると!」
そう、そのクマはツキノワグマと言い、とても力が強いクマだったのです。
クマ「ウハハハハー、ヒヨッ子共めぇ!ワタシに相撲で勝てるかなぁ?」
ウサギ「どうしよう…もしアイツに負けちゃったら、広場を取られてしまうよ!」
ヒツジ「そしたら、僕たちは遊ぶ場所が無くなってしまうじゃない!」
タヌキ「そういうコトだから、頼んだよ、じじぃ」
おじいさんは森の動物達の頼みを断り切れず、ふんどしをまいて、クマに挑みました。
おじいさん「やいやいクマ!ワシとの勝負を怖がるのかねぇ!?」
クマ「なんだじじぃ?まだ何も言ってないではないか。まぁよかろう」
クマは勢いをつけて8m程度ジャンプして、見事に土俵に着地しました。
クマ「ワタシは月の使者ツキノワグマ。いざ勝負!」
おじいさん「真の大和魂…見せてくれる!うなれ、神剣・村雲!!」
おじいさんがそう叫ぶと、上空に雷雲が立ち込めてきました。
クマ「なんだとっ!まさか貴様…ッッ!!」 おじいさん「フフッ、気付くのが少し遅かったようだなぁ。死ねっ!!」
一瞬辺りが光ったかと思うと、次の瞬間、クマの姿は跡形もなく消えていました。
ウサギ「やったねじじぃ」
ヒツジ「ばんざーいばんざーい」
タヌキ「よかったよかった」
ヒツジ「そういやさー、最近鬼の奴が調子に乗ってんだよなぁ」
ウサギ「マジだー?ザッてぇなぁ。アイツ等いっぺんボコんなきゃわかんねぇみてぇだな」
タヌキ「そういうコトだから、頼んだよ、じじぃ」
そうしておじいさんは、鬼を倒す為、鬼が島へと向かいました。